足のむくみ、放...
つらい膝・腰・肩の痛みや違和感、
『歳のせい』ではないかもしれません。
年齢のせいにしてしまいがちな、階段を下りるときの膝の痛み、朝の腰の重さ、上がらない肩…。
もう歳だからと諦めてしまう方も多い症状ですが、それは”年齢のせい”ではないかもしれません。その背景には、変形性膝関節症や腰部脊柱管狭窄症、肩関節周囲炎(五十肩)、骨粗しょう症など、適切な診断と治療が必要な病気が隠れていることがあります。
「運動器」とは、骨・関節・筋肉・腱・靱帯・神経をまとめた呼び方で、私たちの身体はこれらが連携することで自由に動かすことができます。病気で運動器のどこかに異常が起こると、痛みやしびれ、関節の動かしにくさなどの症状が現れます。
しかし、運動器の病気は早期に発見し治療を開始することで、症状の改善が期待できたり、進行を抑えられる可能性があります。近年では、薬による治療だけではなく、運動療法やリハビリテーション、生活習慣の改善などを組み合わせることで、多くの患者さんが以前より快適な生活を送れるようになっています。
痛みがあると、人は自然と身体を動かさなくなります。その結果、筋力が低下し、関節を支える力が弱くなり、さらに痛みが強くなります。痛い⇒動かない⇒筋力低下⇒さらに痛むという悪循環を断ち切るためには、原因を知り、自分に合った治療や運動を行うことが重要です。
代表的な「運動器」の病気
膝や腰、肩の痛みや違和感の原因は一つではありません。症状が似ていても、病気によって治療法は異なります。ここでは、整形外科で特に多くみられる代表的な病気をご紹介します。
①変形性膝関節症
「歩き始めや階段で膝が痛い」
変形性膝関節症は、膝関節の軟骨が加齢や長年の負担によってすり減り、炎症や痛みが起こる病気です。特に50歳以上の女性に多くみられ、国内では推定2,500万人以上が罹患しているとされています。初期には「立ち上がるときだけ痛い」「階段を下りると痛い」といった軽い症状ですが、進行すると安静時にも痛みが出たり、膝に水がたまったり、関節の変形が進み歩行が困難になることもあります。
【主な症状】
□朝起きた直後に膝がこわばる
□階段の下りで膝が痛い
□正座ができなくなった
□膝が腫れたり熱を持つことがある
【主な治療方法】
・痛み止めや湿布・ヒアルロン酸注射
・筋肉トレーニング・リハビリテーション
・症状によっては手術
②腰部脊柱管狭窄症
「歩くと足がしびれる」
加齢に伴って背骨の神経の通り道(脊柱管)が狭くなり、神経が圧迫されることで起こる病気です。特徴的なのは、歩くと足が痛くなったりしびれたりするが、少し前かがみになって休むとまた歩けるようになる「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」という症状です。腰痛だけではなく、お尻から太もも、ふくらはぎにかけて痛みやしびれが出ることもあります。
【主な治療方法】
・内服薬・神経ブロック注射
・リハビリテーション・手術(必要に応じて)
③肩関節周囲炎(五十肩)
「腕が上がらない」「夜中に肩が痛い」
【主な治療方法】
・薬物療法(痛み止め・湿布など)・注射療法
・リハビリテーション(運動療法・ストレッチ)
・症状によっては手術
④骨粗しょう症
「骨折しやすくなった」「背骨が曲がってきた」
【主な治療方法】
・薬物療法(骨を強くする薬など)
・食事療法(カルシウム・ビタミンD・たんぱく質など)
・運動療法・転倒予防
⑤腱鞘炎
「指や手首の痛み」
【主な治療方法】
・安静・患部への負担軽減
・装具・サポーター
・薬物療法(痛み止め・湿布など)
・注射療法・症状によっては手術
運動器の病気は、早期発見が重要です。歳のせいと我慢するうちに、悪化してしまうこともあります。整形外科では、痛みを取り除くだけではなく、「いつまでも自分の足で歩ける身体づくり」を目標に診察を行っています。気になる症状があれば、ぜひお気軽にご相談ください。
日本は世界でも有数の長寿国ですが、健康寿命(健康上の問題なく日常生活を送れる期間)を延ばすためには、「歩けること」「身体を動かせること」がとても重要です。そのためには、運動器のケアが欠かせません。運動器の痛みを我慢し続けてしまうと、痛みが慢性化し、外出や家事、趣味などの日常生活に、支障をきたすだけでなく、筋力の低下や転倒・骨折などを引き起こし、将来的に介護が必要となるリスクも高まります。
高齢者の骨折の多くは、自宅での転倒が原因です。特に太ももの付け根(大腿骨近位部)の骨折は、手術や長期のリハビリが必要となり、その後の生活に大きな影響を与えます。転倒の原因は、筋力低下だけではありません。住環境や普段の行動が関係していることもあります。いま一度、日常生活を見直してみましょう。

ロコモティブシンドローム(略称:ロコモ)とは、骨や関節、筋肉など運動器の障害により、「立つ」「歩く」といった移動機能が低下した状態をいいます。放置すると、介護が必要になるリスクが高まります。「片足立ちで靴下が履けない」「横断歩道を青信号のうちに渡り切れない」といった症状がある場合は、ロコモのサインかもしれません。