診療科・部門紹介

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泌尿器科

診療担当・日時

 
午前1診 高安 安田 安田 安田

小糸
(第2)

(第4)

2診

木下

(10:00以降)

午後
手術 検査 手術 検査

検査

※ 10:00以降、予約制 

スタッフ紹介

安田 部長

[学位等]
  • 医学博士
  • 日本泌尿器科学会認定医
  • 日本泌尿器科学会指導医
[専門分野]
  • 尿路性器がん

奥 雄太郎 医員

[専門分野]
  • 泌尿器一般

木下 秀文 非常勤医師

高安 健太 非常勤医師

[学位等]
  • 医学博士
  • 日本泌尿器科学会指導医
  • 日本泌尿器科学会専門医
  • 日本がん治療認定医機構がん治療認定医
[専門分野]
  • 泌尿器科一般

小糸 悠也 非常勤医師

[学位等]
  • 日本泌尿器科学会指導医
  • 日本泌尿器科学会専門医
[専門分野]
  • 排尿障害、泌尿器科癌、結石治療

診療内容

 

診察している特殊(専門)疾患

一般泌尿器科(血尿の精査・前立腺肥大症・尿路感染症・腎嚢胞など)
尿路性器腫瘍(膀胱癌・腎癌・精巣癌・陰茎癌・副腎腫瘍・他の後腹膜腫瘍など)
神経因性膀胱(排尿障害・尿失禁など)
過活動膀胱
尿路結石症(腎結石・尿管結石・膀胱結石)
尿路感染(膀胱炎・前立腺炎・腎盂腎炎 など)
に重点をおいた診療を行っています。

外来は月曜から土曜日までの午前中で診察は予約制ですが、初診・予約外の診療も随時受け付けています。関西医科大学からの応援により外来診療および手術治療での充実を図っています。午後は、膀胱鏡検査・逆行性腎盂造影・前立腺生検などの検査を行っています。
当院では、手術治療として腹腔鏡手術および内視鏡手術を中心に行っています。

各種疾患について

前立腺癌

前立腺は、膀胱と陰茎の間に位置する男性固有の器官で、精液の一部を作る働きを持っています。この前立腺から発生したがんが「前立腺がん」ですが、多くの高齢者に見られる、良性疾患の「前立腺肥大症」とは全く異なる病気です。「前立腺肥大症」が将来「前立腺がん」に変化することはありませんが、「前立腺肥大症」と「前立腺がん」の両方がそれぞれ発生することはよくあります。「前立腺がん」は、欧米では男性のがんのなかで一番多いのですが(男性のがん全体の30%-40%程度)、ここ数年、日本においても急速に増えてきています。人種差に加え、食生活の影響が大きいと考えられています。
この数十年間、日本人の食生活が欧米化していることもあり、前立腺がんの増加率は日本のがんの中でも最も高く、2040年から2050年ころには日本人の男性のなかで最も多いがんになるとの統計学的な推測もあります。前立腺がん比較的高齢で発見されることが多く、50歳以下の方にはほとんどみられません。また、男性ホルモンとの関係が深く、男性ホルモンを減らす、あるいはその働きをブロックすることで前立腺がんの進行を抑えることが出来ます。

前立腺がんの前立腺がんの罹患者数

前立腺がんの死亡者数の推移

前立腺がんの年齢別罹患率(2006年)

前立腺がんの年齢別死亡率(2010年)

前立腺がんの検査

血中PSA(前立腺特異抗原)
正常4ng/ml以下。前立腺がんが存在すると高くなることがほとんどです。前立腺がん以外でも前立腺の炎症や前立腺肥大症でも値が高くなることがあります。毎年測定しているPSAが徐々に上昇してきている場合などでは、4ng/ml以下でも精密検査を勧めることがあります。逆に、80歳以上の方では、精密検査をせずに様子を見る場合もあります。

直腸診
肛門から指を入れて前立腺を触診する検査法です。

経直腸超音波検査(エコー)、MRI
前立腺がんが疑わしいか否か、前立腺がんが存在した場合の広がりをみるのに有用です。しかし、すべての前立腺がんがわかるわけではありません。

前立腺生検
肛門から挿入する超音波装置で前立腺を観察しながら、18か所前立腺の組織そのものを少し取ってきて調べる検査です。一泊の入院で行っていますが、実際の検査に要する時間は1時間くらいです。できるだけ痛くないように麻酔をかけて行います。生検を行っても、本当はがんがあるのに見つけられない場合があります。その場合は、再生検が必要となることがあります。

前立腺がんの治療

前立腺生検の結果、前立腺がんと診断された場合、次には、がんの範囲、すなわち広がり具合を調べます。前立腺がんが周囲の臓器にまで及んでいないか(浸潤)、あるいは離れた部位にがんがないか(転移)、MRIやCT、ラジオアイソトープ(骨シンチグラフィー)などの画像検査を行うことになります。これらの画像診断と直腸診により前立腺癌の病期を診断しますが、さらにPSA値、前立腺生検による癌の占拠部位、推定される腫瘍体積、Gleason(グリーソン)スコア、患者さんの年齢や全身状態などを総合的に組み合わせて治療方法を考えていきます。前立腺癌の治療方法としては手術療法、放射線療法、内分泌療法、無治療経過観察があります。治療後も定期的に再発がないかをみるため、外来通院が必要です。

1.手術療法
前立腺癌に対する手術として、前立腺全摘術(下腹部に5-7cm ほど切開)を行っています。後腹膜という部位からの展開を行いますので腸管損傷や腹腔内臓器への損傷を回避できます。              

へそ下の皮膚を5-7cm程切開し、前立腺を精嚢(せいのう)や精管などの周囲ごと摘出するほか、リンパ節郭清を行うこともあります。前立腺摘出後は、排尿路を確保するために膀胱と尿道をつなぎ直します。                  

                

2.内分泌療法(ホルモン治療)
通常75才以上の高齢者や、局所進行癌・転移を有する進行症例で手術・放射線治療では治療効果が望めない場合が適応となります。前立腺癌を増殖させるのは男性ホルモンといわれており、男性ホルモンを内服・注射で抑えていきます。

3.無治療経過観察
前立腺癌には臨床的に意義のない癌があります。偶発癌ともいいますが生命や生活を脅かすのに20年を要するともいわれています。特に平均余命10年以下の高齢者や全身状態の不良な症例に選択されます。定期的に血中のPSAを測定しながら経過をみていきます。PSAが上昇し、癌が進行していると考えられるときには積極的に治療を行うことになりますが、癌の進行に比べて治療のタイミングが遅れてしまう危険性はあります。

再燃前立腺がん(去勢抵抗性前立腺がん)の治療

内分泌療法を長期に続けると、前立腺がん細胞が内分泌療法抵抗性になり、治療中にもかかわらずどんどん増殖するようになります。一般的に前立腺がんはおとなしく進行も遅いと考えられていますが、全てに当てはまるわけではありません。特に前立腺がんが内分泌療法抵抗性になった場合には性質が非常に激しく治療に難渋します。このような場合、新規ホルモン製剤のイクスタンジ(一般名・エンザルタミド、アステラス)やザイティガ(アビラテロン酢酸エステル、ヤンセン/アストラゼネカ) または抗がん剤による治療をお勧めしています。私たちはドセタキセル・カバジタキセルという薬剤を使用しています。患者さんの状態にもよりますが、初回は入院で、2回目からは外来通院での治療が可能です。約半数の方に効果があります。

泉尾結石センター

尿路結石
尿路(腎臓・尿管)結石症は泌尿器科の中でも最も頻度の高い病気の一つであり、しかも再発する可能性が非常に高いもので、若い人から御高齢の方まで幅広くこの病気にかかる可能性があります。一生のうちに一度は尿路結石にかかる頻度は男性では7人に一人、女性では15人に一人と10年前に比べ約60%も増えています。また最近ではその原因として生活習慣病・メタボリックシンドロームとの関係も指摘されています。一方、尿路結石症は再発しやすい病気でもあり、腎臓の結石においてはその再発する頻度は3年間で30%、5年間で45%とも言われています。この腎臓の結石の再発を繰り返すことにより、腎臓の機能が低下するだけでなく、この結石を取り除く手術による合併症も無視できないものなのです。さらに比較的患者様にとって低侵襲であるESWL(体外衝撃波尿路結石砕石術)においても、最近は治療後の再発が問題とされており、さらにこの腎臓の結石へのたび重なるESWLの治療により将来、腎臓が小さくなるような(腎機能障害)例も少なくありません。また、腎臓の機能の低下に伴う慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease; CKD)を患うことによる心血管障害(心筋梗塞、狭心症など)の危険性が指摘されており、腎臓の機能をできるだけ温存する治療を選択することは今後とても大切となると思われます。当院では普遍的な尿路結石でお困りの患者様に対してご相談の上、以下の治療を行っております。

自然排石
比較的小さな結石に対しては、症状をコントロールしながら飲水、運動などの生活指導で自然に結石がでることを期待します。

経尿道的結石砕石術:TUL (transuretheral lithotripsy)
尿管・腎などの結石の部位や大きさ、尿の流れの状態を考慮しこの治療を選択する必要があります。入院治療が必要です。全ての尿管結石に対して第一選択、またESWL後の第二選択となります。全身麻酔下に経尿道的に内視鏡を挿入し、モニター画面で結石を確認しながら砕石し、確実に結石をなくす方法であります。
以前と違い医療器機の発展もあり、かなり内視鏡が細くなっているので、患者様に対する負担(低侵襲)も少なくなってきています。ただし、結石の状態によっては一度の手術で治療が終了できない場合もあり、二回に分けて手術を行う(一旦退院の上)場合も稀にあります。当院では2012年よりレーザーと軟性尿管鏡を導入しfTUL(flexible transuretheral lithotripsy)を施行しております。

経尿道的結石砕石術:TUL (transuretheral lithotripsy)

経皮的腎砕石術:PNL (percutanous nephorolithotomy)
尿管・腎などの結石の部位や大きさ、尿の流れそして結石のある腎臓の状態を考慮しこの治療を選択する必要があります。入院治療が必要です。特に大きな腎結石(>2cm)やサンゴ状結石、一部の尿管結石には第一選択となります。全身麻酔で行います。経皮的に腎臓に対してトンネル(トラクト)を作り、そこから内視鏡を挿入し結石を確認し砕石します。当院ではTUL assisted PNL (TAPあるいはECIRS)用いて行っております。
前述したTULとPNLを同時に併用することで合併症を少なく手術を行う事が可能です。また結石の状態、出血などの状態によっては一度の手術で治療が終了できない場合もあり、二回に分けて手術を行う(入院継続の上)場合もあります。そのため入院期間は2週間程度と少し長めの入院加療が必要となることもあります。

経皮的腎砕石術:PNL (percutanous nephorolithotomy)

体外衝撃波結石破砕:ESWL(extracorporeal shock wave lithotripsy)
尿管・腎などの結石を体外から衝撃波を使用し破砕する手術になります。一度の破砕で結石が砕石されることは比較的稀であり通常2-3回を要する場合が多いです。漫然とESWLを施行し続けることは新たな合併症を併発する恐れなどがありますので、医師と相談し治療を選択することが大切です。

間質性膀胱炎:
尿がたまった時の強い痛みが特徴で、膀胱に尿がたまらず頻尿(昼夜を問わず回数が多い)、尿意切迫感(急に尿意が起こり我慢できない感じ)が伴います。決定的な原因はわかっていません。
間質性膀胱炎が疑われる場合、膀胱鏡検査を行い膀胱粘膜の所見を確認します。同時に膀胱がんなどないかも確認します。

勃起障害(Erectoile Dysfunction:ED)外来:
勃起障害は大きく「心因性」と「器質性(神経性、内分泌性、血管性など」に分けられますが、もっとも多いのは両方にまたがる「混合性」です。問診票で勃起障害の程度を評価し、ホスホジエステラーゼ(PDE5)阻害薬を服用できるか確認し、問題なければまずお薬を使用します。お薬の処方は1回の診療で20錠までを上限とさせていただいています。
薬剤費:

シアリス錠10mg 1錠 1,700円
シアリス錠20mg 1錠 2,000 円

別途消費税

 

小児夜尿症、過活動膀胱外来:
小児夜尿症は、就学前の小児15%、小学校高学年になると約5%に認められます。小学校1年生で、週に1~2回程度の夜尿(おねしょ)なら、もう少しで自然に治ってしまう可能性が高いと思います。週の半分以上に夜尿がある場合は、自然に治るのに数年かかることもあります。自然治癒しない場合、生活習慣の見直しが重要となり、それでも改善しない場合デスモプレシン製剤あるいはアラーム療法のいずれかを選択して治療を行います。難渋する場合には抗コリン薬の併用も考慮していきます。
 過活動膀胱とは、尿意切迫感(がまんできない状態)があり、通常は夜間頻尿と頻尿を伴う症候群です。行動療法(排尿指導、排便管理)で効果が認められない場合には薬物療法を併用します。

済生会泉尾病院 年間手術件数

 2012年2013年2014年2015年2016年
経尿道的膀胱腫瘍切除術 46件 32件 48件 29件 41件
経尿道的前立腺切除術 29件 28件 16件 22件 25件
経尿道的尿路結石砕石術 59件 49件 39件 73件 43件
体外衝撃波結石破砕術 6件 5件 7件 5件 5件
経直腸的前立腺針生検 58件 69件 40件 53件 59件
根治的膀胱全摘除術 2件 2件 3件 3件 2件
開放下腎摘除術
(腎尿管摘除術を含む)
1件 1件 5件 2件       1
腹腔鏡下腎摘除術
(腎尿管摘除術を含む)
2件 8件 6件 6件 9件
根治的前立腺全摘除術
(開腹)
28件 3件 0件 0件 3件
腹腔鏡下前立腺全摘除術 1件 21件 10件 10件 8件